ソフトバンクも投資、シリーズDで1000億円調達の生鮮配送はどこが凄いのか?

北京に住む主婦がアプリでオーダーした生鮮が30分で届き、送料無料の上、購入したエビはまだ活き良く動いている。

このアプリは叮咚买菜(DingDongMaiCai)と言い、今年2月時点で、3000万世帯を超えるユーザー数、毎日の平均オーダー数は85万を超え、月の営業額は240億円、生鮮のSKUは1万超。シリーズDの調達額は10.3億ドルに上り、ソフトバンクのビジョンファンドの他、セコイアキャピタルなど名立たるVCより投資を受けている。

2017年5月にサービスを開始した叮咚买菜は、30分以内の製品届を実行するために、「前置倉」と呼ばれる倉庫を使用している。生鮮デリバリー企業によっては前置倉庫のカバー範囲は異なるが、叮咚买菜は1キロ前後を配送地域としており、上海だけで200箇所の前置倉庫を設けている。

下図は前置倉庫を絡む物流を簡易に合わせたフローチャート

ユーザーが29分以内で製品を受け取れるために、配送員には厳しく訓練と管理をしている。他のデリバリーアプリは30分お届けだが、北京の拠点によっては、27分で届けるように指示しているという。顧客からのレビューによって罰金が科せられたり、出勤遅刻も同様厳しく管理している。

この他のユーザー体験として、会計する前に、アプリが「無料のニンニクはいりますか?」と表示し、ユーザーが無料でニンニクやネギを入手することが出来ます。これは他の同業にはない心遣い。また、「今日は何を作ろうか?」と悩む主婦にも、レシピなどのコンテンツを提供しており、気に入ったメニューに必要な食材も数回タップで購入出来る。

食材や料理に関連するライブもアプリ内で行われている。サプライヤーが直接ユーザーと接触出来るのみでなく、「何を作るか分からない」「作り方が分からない」「グルメ好き」というユーザーの需要を満たすことで、SNSのUGCとECが上手く嚙み合ったアプリデザインとユーザー体験が高いリテンションを誇る原因の一つとなっている。

梁氏は「有限と無限のゲーム」という1987年に出版されたJames Carseの著書の大ファンであり、彼自身が叮咚买菜のビジネスモデルに対しても、「競争」よりも「共存」に注目し、食材産地から消費者まで、中に入るサプライチェーンなども全体的に向上できる事を視野に入れている。

2017年2月16日~2021年1月11日までのアンドロイドアプリのダウンロード数。酷传によるデータ。

立ち上げ4年で9回融資に成功し、近々IPOを目指すという成績は羨ましい限りだが、叮咚买菜にも不安要素がいくつもある。

前置倉庫のモデルは近年中国の「コミュニティ共同購入(社区团购)」に影響され、VCからの融資金額が落ち気味である。この共同購入トレンドは拼多多(PinDuoDuo)から始まり、購買数量増やして金額にディスカウントが付くというものだが、幾度かの変化を経て、コミュニティ共同購入という新しいモデルが生まれた。

中国では数百世帯が住む高層マンションが集まっている「コミュニティ」が沢山あり、そのコミュニティを中心として、共同購入サービスを提供することで、送料コストが減り、購買力が上がり、最終的に消費者にもっと安い値段で製品を提供できるというもの。

現在中国のトップ「コミュニティ共同購入」ベンチャー企業は「十荟团」と「兴盛优选」であり、今年それぞれ7.5億ドルと30亿ドルを調達している。その他、アリババ、美団、京東や拼多多がそれぞれコミュニティ共同購入を立ち上げている中、叮咚买菜にプレッシャーがかかる。

アリババ集団配下の「盒馬鮮生」、店内での製品購入は勿論、食事が出来たり、注文して宅配なども依頼できる生鮮スーパーだが、そのCEO侯氏は前置倉庫の欠点としては、運営コストが高いということで、未来はないと伝えた。

叮咚买菜の梁氏は、自社が目標として改革をする業界はインタネットではなく、農業だと伝えている。そのための努力にまだまだ時間がかかるとのこと。

中国市場は大きい、「食うか食われるか」という激しい競争の中でサバイバルするためのスピードと決断力が必要。我々は1000以上の中国と世界ブランドの店舗別売上と消費者データベースを提供しております。競合データを元に戦術調整、消費者に合ったマーケティングで顧客獲得、最適な出店時期と場所を選出する事などに役立ちますので、お気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。


NiVはNulliusin Verbaの頭文字で、1660年に設立されたRoyal Societyというイギリス科学学会のモットーで、「誰の言葉も鵜吞みにしない」を意味します。権威に屈する事なく、科学的実験による検証を行い、事実を突き詰める事を信念とする。

弊社のモットーでもあり、お客様にも私達の言葉も鵜吞みにせず、ご自身の目で、弊社製品を検証頂きたい。他社には提供出来ないデータ・サービスを、自信持ってお届け致します。